では私に、裁判官の前で
「では私に、裁判官の前で、貴方の事件の弁護をさせて下さい。」とザディッグが言った。実際、彼のそのヘブライ人を法廷に召還し、裁判官に次のように言った。「平等の王座の枕もご照覧あれ。私は、私の主人の名において、この男に五百オンスの銀貨の返却を要求するものです。この男はこの金を返そうとしないのです。」「貴方には証人がありますか。」「いいえ、証人達は死んでしまいました。しかし、大きな石は残っています。その上で、銀貨が支払われたのです。そこで、もし閣下がその石を見つけに行くようお命じになって下されば、私はその石が証拠になってくれる事と期待しております。ヘブライ人と私は石が来るまで此処に残りましょう。私の主人のセトックの費用で、その石を捜しにやりますから。」「よかろう。」と、その裁判官は答えて、他の事件を片付け始めた。他の事件の審問が終わった後で、「ところで君の言っている石はまだ来ないのか。」と裁判官はザディッグに言った。橿原...