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それはそうだ

「それはそうだ。月の上へ降りれば、もっとらくになるよ」 艇長は、三郎の宇宙服を念入りにしらべてくれた。締め金具の一つがゆるんでいたのを見つけて、艇長はしっかりと締めてくれた。 「艇長。上陸地点の計算が出来ました」 航空士が、図板をもって、艇長のところへやってきた。そしていつもの調子で、顔を艇長のそばへ近づけたものだから、航空士の兜と艇長の兜とが、ごつんと衝突した。 「ああ、どうも失礼を……」 「気をつけないといかんねえ」 と、艇長は、やさしくたしなめて、航空士の手から図板をとりあげた。 「なるほど。すると『笑いの海』へ着陸すればいいんだな。ここへ着陸すると、六日と十二時間は昼がつづくんだな」...

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勤怠管理の穴

私のアルバイト先は勤怠管理をタイムカードで行っています。タイムカード使っている方は経験がある方も多いと思いますが、タイムカードが押せてなかった事や押し忘れってたまにありますよね。うちの店ではそういう時にタイムカードの所に正確な時間を手書きで書いて、修正お願いしますというメモを残すのですが、なんとメモだけとって修正をしてくれてない事があるのです。私がなんだか給料が少ないと思い明細を見ると、実際に働いた日数より一日少なかったのです。そう、その一日がタイムカードの修正を頼んだ分の一日なのです。ちゃんと押せなかった私も悪いですが、修正せずにタダ働き扱いなんて酷いですよね。その後何度も店長に修正をお願いして、やっとその分は次の付きにつけてもらえました。こんな所に勤怠管理の落とし穴があるとは思いませんでした。...

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艇長は、例の器用な手つきで

艇長は、例の器用な手つきで、テレビジョン装置についている五つの目盛盤をしきりに合わしていたが、やがて小さなスイッチをぽんといれると、映写幕がぱっとあかるくなった。 映写幕は、約一メートル平方の大きさであった。そのうえに、なんだか銀色にかがやく櫛のようなものがあった。 艇長は、それをみながら、また更に目盛盤を、うごかした。すると、映写幕のうえの像が急にはっきりしてきた。 「ほら、うまく出てきた。これが地球の夜明けだ。いや、夜明けは、この端のところだけで、きらきら光っているところは、もうすっかり朝になっている」...

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むかし、岩の前に立って

むかし、岩の前に立って、“開けゴマ”とさけぶと、岩が二つにわれて、その間から入口があらわれるという話があるが、今はそれと同じことをやって、スイッチを切りかえられるのだった。これを、音波利用のスイッチという。 高声器から、ぷっぷっという雑音が出てきたと思ったら、とたんに大きい当直長のこえがとびだした。 「艇長。只今、地球が夜明けになりました、どんどん夜が明けております」 「ああそうか」 「雲があるようですが、相当うつくしい輝いて見えます。おわり」 「ああそうか。ご苦労」 当直長のこえは、高声器の中に引込んでしまった。...

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黒いインキをとかしたような

黒いインキをとかしたようなまっくらがりの宇宙を、今おびただしい噴行艇の群が、とんでいる。 「噴行艇だ!」 噴行艇といっても、なんのことか、わからない人もあるであろう。噴行艇は、ロケットとも呼ばれていた時代があった。飛行機は、空をとぶことができるが、空気のないところではとべない。しかし噴行艇は、空気のないところでも、よくとべるのだ。艇尾へむけ、八本の噴管から、或る瓦斯を、はげしく噴きだすと、そのいきおいで、艇は前方にすすむのである。艇尾には、舵があって、これをうごかすと、とびゆく方向は、どうでもかわるのであった。大宇宙をとぶには、飛行機ではとてもだめであるが、この噴行艇なら、瓦斯のつづくかぎり、大宇宙をとぶことができる。...

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ああ、かわいそうに

「ああ、かわいそうに。君の兄さんは最後のピストルを二発うって、怪物につかまったんだよ。ぼくらがもっと早く来ればよかった」 「いや、ぼくらが早く来れば、ぼくらもまた怪物につれていかれたかもしれない。兄さんはぼくたちの生命をすくってくれたことになるんだ」 「なるほど、そうだったね。五助ちゃん、もっと奥を探してみようか」 「いや、よそう。兄さんは、危険だから早くふもとへひきあげろと書置してある。さあ早く穴を出ようや」 「そうかい、ざんねんだなあ」 二少年は、思い切って穴から外にはい出した。ところが、そのすぐあとで、どういうわけか、とつぜん地鳴りとともに大山つなみが起った。そして穴のあったところはすっかり岩石の下にうまってしまった。二少年は生命からがら山をかけ下って、ふもとの村へかえりついた。...

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話題のカニ○○を食べました

先日テレビで、見た目では絶対にカニと区別がつかないカニかまを、カニの目利きのプロが見破るという内容の番組をしていたのですが、本当に見た目はカニそのもの、とても美味しそうなので取り寄せて試してみることにしました。 それが農林水産祭最高賞天皇杯受賞を受賞したと言う「香り箱」という商品なのですが、現物を見てびっくり、盛りつけると本物のカニにしか見えません。これが330円なんてものすごくお買い得なんじゃね?と期待も高まります。 早速パクリといただきました。う~ん、この食感&ジューシー感は確かになかなかのもの…でもやっぱりカニかまでした…。それなりに美味しいのですが期待が高すぎたようです。...

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エステとクリニックでの脱毛の比較

夏になるといろいろな雑誌やサイトでエステの脱毛に関する広告を目にするようになります。夏の時期には余計に目がいってしまいます。 同じように外で脱毛をするときに選択肢にあがるのがクリニックでの脱毛です。一回ずつの料金はエステに比べて割高なことが多いですが、医療行為として脱毛を行える分、効果が期待できそうです。また、医師が行うため、万が一のときのアフタケアなども安心できるのではないでしょうか。 永久脱毛をしたいと思うときには、少々お金がかかっても強い出力のレーザーを扱えるクリニックでの脱毛を選ぶのが無難なようです。...

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このような楚々たる麗人を

このような楚々たる麗人を、妻と呼んで、来る日来る夜を紅閨に擁することの許された吾が友人柿丘秋郎こそは、世の中で一番不足のない果報者中の果報者だと云わなければならないのだった。若し僕が、仮りに柿丘秋郎の地位を与えられていたとしたら――おお、そう妄想したばっかりでも、なんという甘い刺戟に誘われることか――僕は呉子さんのために、エジプト風の宮殿を建て、珠玉を鏤めた翡翠色の王座に招じ、若し男性用の貞操帯というものがあったなら、僕は自らそれを締めてその鍵を、呉子女王の胸に懸け、常は淡紅色の垂幕を距てて遙かに三拝九拝し、奴隷の如くに仕えることも決して厭わないであろう。しかしながら友人柿丘秋郎の場合にあっては、なんというその身識らずの貪慾者であろう。彼は、もう一人の牝豚夫人という痴れものと、切るに切られぬ醜関係を生じてしまったのだった。...

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「あははは、そんなことをして、あとで、後悔しないがいいぞ」

「あははは、そんなことをして、あとで、後悔しないがいいぞ」 それにかまわず、帆村は、えいやッと鉄の棒をうちおろした。その一瞬、一大音響の下に目もくらむような電光が、ぱっと室内を照らした。 「あッ!」と、帆村は、おどろきのこえをあげると、その場にもだえつつ、ばったりたおれた。 「ふふふふ、それ見ろ。だから、よせといったのだ」 博士は、せせら笑って、立ちあがった。いつの間にか、博士をしばってあった縄が、全部とけていた。おどろいたのは、正太であった。 「イワノフ博士、あなたは、悪い人だ。帆村さんを、元のようにかえしてあげなさい」...

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