むかし、岩の前に立って

Publié le par rikairyoku

むかし、岩の前に立って、“開けゴマ”とさけぶと、岩が二つにわれて、その間から入口があらわれるという話があるが、今はそれと同じことをやって、スイッチを切りかえられるのだった。これを、音波利用のスイッチという。  高声器から、ぷっぷっという雑音が出てきたと思ったら、とたんに大きい当直長のこえがとびだした。 「艇長。只今、地球が夜明けになりました、どんどん夜が明けております」 「ああそうか」 「雲があるようですが、相当うつくしい輝いて見えます。おわり」 「ああそうか。ご苦労」  当直長のこえは、高声器の中に引込んでしまった。 「どうだ。今の電話をきいたろう」  艇長が三郎にこえをかけた。 「あ、今の電話ですか。地球が夜明けだというんですね。そんなことは、一向めずらしいとは思いません」  三郎は、なあんだという顔をした。 「はははは。一向めずらしくないというのか。めずらしいかめずらしくないか今見せてやるから、それを見たうえのことだ」  そういうと艇長は、壁の釦を押した。  すると、二メートル四方ほどの壁ががたんと下におちた。壁の奥には、精巧なテレビジョン装置が、はめこんであったのである。これを使えば、中にいながち、艇の外が手にとるようにはっきり見える。 スマートフォン広告 アドリブ(AdRib)」 博客_きっといいものが見つかるブログ_百度空?

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